これがカムリ・クラウンの第一声だった。
その一言に唖然とする皆を見てさらに
「こういう事は女性の方が向いているよ・・・」
と恥ずかしそうに言う。
しかしその言葉に異議を唱えたものがいた彼の幼なじみシグマ・アスパイアだ。
「そうか!!この事はお前が一番向いていると俺は思うがな。」
「それはお前の勝手な解釈だろ!!」
「お前以上の適任者は他にいないぞ!!」
「だ〜か〜ら〜その考え自体がおかしいんよ!!」
2人が言い争っているのを見て呆れた顔で
「いい加減にしなさい!!」
と言う声が響いた。
プレサージュ公国の第一公女シーマ・セフィーロ・ローレルであった。
「そうそうココで言い争っていてもしかたないでしょ?それにこんな美味しいネタ手放したくないもんね〜☆」
明るくそして意味有り気にセフィーロの妹サニー・シルフィ・ローレルが言った。
「・・・・・・・・・何で皆して・・・・・・」
カムリがそう言うと
「なら多数決で決めましょう!!」
とシルフィの声が部屋内に聴こえた時カムリ以外の一同は納得した様子だった。
「では多数決取りま〜す!!カムリがいいと思う人!!」
周囲を見渡すとシグマ・セフィーロ・シルフィが手を上げていた。
「はい決定ね♪」
「待て待て待て〜まだ決まった訳じゃな〜い!!そうだろシャレード!!」
そう言いながらカムリは窓辺で外を見ながらタバコを吸っている青年シャレード・ストーリアに助けを求めた。
「俺は別にどちらでもいい…この仕事が早く終わるのなら」
「そんな事言うなよ!!だいたいおかしいだろ・・・何で僕がじょ・・・」
そう言いかけた時シルフィが大声で
「は〜い。つべこべ言わない!!もう時間が無いんだから準備に入るわよ!!」
「えっ?えっ?だってまだ・・・」
カムリが叫びながら言ったその時に
「早くしましょうねvv相手は待ってくれないんだから」
と楽しそうにセフィーロが言った。
「ちょっ・・・まっ・・・止めろ!!止めてくれ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
その叫び声も虚しくカムリは女性二人に引きずられながら部屋の奥へと連れて行かれた。
それから数時間が過ぎ部屋からローレル姉妹と見知らぬ女性が出て来た…いや女性ではなく女装したカムリがそこにいた。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
言葉も無くし真っ赤になって一歩も動かずその場に佇んでいると
「どうどう完璧でしょvvこれならバッチリよね♪」
「本当はスカートにしたかったけど物凄く抵抗されちゃって結局ズボンになったけど大丈夫よねvv」
楽しげに語る姉妹を他所に
「本当に可愛くなったものだな・・・カムリ」
と冷やかしながらシャレードが言う。
それと対照的に興奮しながら迫る口調で
「とっても可愛いぞ!!何なら俺がこのまま一緒に行って・・・」
「いってきます」
シグマが全てを話し終わる前に冷めた顔で部屋を出て行くカムリであった。
女装したまま町を歩くカムリ。
「大体何で僕が女装しなきゃいけないんだ・・・シルフィもセフィーロさんも『私達は公女だからバレると大変だからね♪』とか何とか言っていたけど結局は僕を使って遊んでいるだけじゃないか!!」
とブツブツ文句を言って
「でもいくらあいつらでもこんな女装しているヤツに声は掛けないよな〜」
と言っていた矢先に
「お嬢さん。ちょっと良いですか?」
カムリが恐る恐る振り向いたら奴らがいた。涙が出るくらい哀しい気持ちになりながら話を聴いた。
「どうかな?時間があるならこれからある人のお屋敷に来ないか?」
「ある人って?」
「名前は恐れ多いから言えないけど会えばすぐに分かるよ。決して悪い様にはしないから」
「名前も知らない人の所に行く事は出来ないな!!」
「・・・まぁ考えてみたらそうなんだけどね。でも言えないな〜」
「ならパスね」
目的を忘れた訳ではなかったが確証が無かったので着いて行く訳には行かなかった。
「なら仕方がない・・・いつもの様に強攻策行くぞ!!」
男達の態度が急変していった。
「えっ?」
カムリが去ろうとした時に無理矢理路地裏へ連れて行かれその時不意に眠り薬を嗅がされてしまいそのまま気を失ってしまった。
「うっ・・・・・・・・・・う〜ん・・・あれここは?」
カムリが意識を取り戻し気が付いたら見知らぬ部屋の天井が見えた。
「あれっ・・・僕は確か・・・えっと〜」
考えている内に自分の体の異変に気が付いた。どうやら体に『呪』が掛けられて動けない・・・焦って自分の両腕を確認したら自分への『封印』は付いたままでいたのでホッとした。
しかし安心したのも束の間部屋に誰かが入ってきて
「目が醒めたかね。お嬢さん」
微かに動く顔を声がする方へ向けると其処には依頼された仕事のターゲットの男がいたのである。
「だいぶ眠られていましたよ・・・随分とお疲れになっていたのですね」
「よく言うな。下の人間を使って無理矢理つれて来たくせに」
(ターゲット確認・・・か取りあえず作戦は成功だな)
潜入の為にあいつの『好みの女性』に化けて近づく・・・と言う作戦は成功したみたいだ。
「女性がそんな言葉遣い・・・良くありませんよ。」
優しい口調とは裏腹にその目は獲物を狙う野獣の目をしていた。
「それにしてもよく似合いますね〜その格好・・・そんな格好までして私に会いたかったのですか?」
「知っていて無理矢理連れて来たのか?悪趣味なヤツだな!!」
彼は『男嫌い』だと言う情報があったのでカムリが嫌味を言った。
自分が『男』と分かれば怒り出しヤツにある程度の隙が出来その時に『呪』を解くチャンスがある・・・カムリはそう思った。
しかし男は動じる事無くは話しを続ける。
「いえいえあなたを選んだのは部下の独断ですよ。ですがあなたを連れて来た時は彼らもだんだんこの仕事が分かってきたと言う事ですかね?」
「女性と女装した人間との区別が付かない人間が仕事を覚えたと!!」
カムリがそう言うと近づいて来て指で顔を撫でながら
「私としては男でも女でも構わなかったのですよ。ただ私の好みが合えばそれで・・・」
(オイオイ・・・話が違うぞ!!)
引きつった顔でいるカムリを見てさらに
「本当はもっと後で吟味しても良かったのですが気が変わりました」
そう言いながらカムリの服の中に手を入れだした。
「オイッ・・・何しているんだお前!!」
「何って吟味ですよ…その為には邪魔な物は取り外さないと」
言い終わると服の中からカムリに付いていた『付け胸』を取り外しさらにその手で体を撫で回して行く・・・
抵抗するにも『呪』が掛けてあるので体は動かない。せいぜい出来る抵抗は声だけであった。
「キミは本当に私の好みの人だよ・・・この顔この体そしてこの柔らかさ・・・私に丁度いい」
「放せ!!この好色変態ヤロー!!」
「いくらでも叫んでも誰も来ませんよ・・・いや寧ろ来たらそいつに見せ付けてやりましょう」
半分涙を溜めて大声で叫ぶカムリを見て愉しむかの様に服を一枚一枚脱がしていく・・・。
「止めろ〜〜!!!」
カムリが顔を真っ赤にして目を逸らていたら機嫌を良くしたのかズボンに手を掛けそのまま下着ごと脱がそうとしたその瞬間
ドガッ!!
部屋全体に響き渡る鈍い音がした。
恐る恐る見てみると其処には倒れているターゲットの男とシグマがいた。
「まったく・・・なかなか連絡が来ないからお前の痕跡を辿って来たらやはりココだったか・・・」
「何だよ!!わっ・・・分かっていたなら早く来いよな!!」
拗ねた顔をして言っているとシグマがマジマジと見ている事に気が付いた。
「なっ・・・何見ているんだよ!!早く『呪』を解いてくれ!!」
その言葉を無視してひたすら姦視して
「いや・・・いい格好だ・・・・・・まるで誘っているみたいだな・・・」
不敵な笑みを浮かべているシグマを見て自分の格好に気が付いた。
上の服は全てと言って良いほど脱がされていてズボンもベルトは外され如何にも誘っている格好でいて動けない上に頬が赤いままで吐息も激しかった。
「なっ・・・何言っているんだ!!これはあいつが・・・」
「あいつ・・・ヤツと何かあったのか?」
気を失っている男に目を向けシグマの目が獲物を狙う野獣の目になった。
(ヤバッ・・・あいつと同じ目に・・・)
嫌な予感を感じて男が気を失っているのでチャンスと見て自分で『呪』を解こうと試みたら
「無駄な事は止めろ・・・この『呪』を解くなら少しでも『封印』を解放させるしかないが・・・」
そう言ってさらに近づいて顔に手をあて
「そんな事をさせる気はさらさら無い!!」
そうして逃げる唇に口付けをした。
「―――っっっ――――――――」
始めは抵抗していたが一瞬の隙を狙っていたのか軽く口を開いた時舌を絡め取りそのまま深くなっていった。そして唇を放しカムリの首筋に当てそのまま舌を使いだんだんと体へと進んでいく。
「あっ・・・・・・・・・・やだっ・・・」
「『封印』を解放する前にその事を考えさせなければ問題ないな」
「問題ないって・・・・・・・お前・・・・・・んん・・・・・・・・・・」
いつの間にか手が撫でる様に掻き回して舌は嬲る様に全身を舐めて行った。
「もっ・・・・・もう・・・やめ・・・・・・」
「何言っているんだ!!これからが本番なのに・・・」
ニヤッと笑い指先は下腹部から下半身へと向かっていく。
「やっ・・やだ・・・・・・そこ・・・・・・・はだ――――――痛っ――――」
カムリは物凄い勢いで意識を失いかけたら
「まだ始めたばかりだぞ・・・一人で勝手にイクつもりか?」
そう言ってその行為をだんだん激しくして行った。
「あ・・・いつが・・・目・・・・・・・覚めたらどう・・・する気・・・・・・・・・・・だよ・・・・・」
「その時は見せ付けてやろう!!」
(あいつと同じ事言いやがって〜)
心の中でそう思いながら次第に快楽の波に流されていった。
「――――――――でどうなったお姉ちゃん?」
「もうバッチリよvvココまで計画的にいくとは思わなかったわ♪」
「そうよね〜☆ターゲットも見つかったし、いいネタも見つかったし何も言う事ないよね〜vv」
状況を察知してか部屋の外から一部始終を覘いていた姉妹ははしゃぎながら話していた。
「助けには行かないのか?」
呆れながらシャレードが言うと
「何でそんな事するの!!勿体無いじゃない!!」
「そうよ!!これだけのネタ見逃したら損するでしょ!!」
言い寄る姉妹に対して
「はいはい好きにしてくれ」
と明後日の方向を見ながらカムリの無事を祈った。
一応ターゲットは捕捉しているので情事が終われば無事に事件は解決するだろう
しかし終わるのにはしばしの時間が必要だった。
そして数時間後・・・満足気のシグマとグッタリとしているカムリが部屋から出て来たのである。
完
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管理人からの一言。
小説に「初チャレンジ」してみました。何かやたら言い回しが多い様な気が…
そしてよく分からん終わり方だな〜(¬¬;)
ハッキリ言って事件もアバウトだし・・・何なのこの小説は・・・自分で書いていて恥ずかしいと言うよりも
情けなくなって来ましたよ(あまりのデキの悪さに)
小説を読みなれている人から見れば「何書いているんだ!!」と説教くらいそうです。
もしかしたらまた無謀にも書いてしまうかも知れませんがその時はえっと・・・心広い目で見てやって下さい。